第4章 黄色い瞳は何を見る(前編)
全員が寝静まった頃、窓ガラスが突然割れた。
「三蔵、一行、覚悟おぉぉぉぉぉぉ!!」
そう叫び、三蔵達が寝ているベットにナイフや斧を叩きつける。窓を割って入って来たのは妖怪。何度も何度も叩きつけられはそれは、ベットとは言えない物となってしまう。
「……油断、しやがったなぁ」
「あっけなかったぜ」
「最強と謳われた三蔵一行も大した事ないぜ」
妖怪達は「やってやった」と笑っていた。
「あーそりゃあ、めでてぇや」
突然の声に妖怪達は声のした方は視線を向ける。そこには、倒したと思っていた三蔵一行が立っていた。
「で、言いたい事はそれだけか?」
「さ、三蔵……!?」
驚く妖怪達は気にせず
「発想が貧困なんだよ」
「この嵐で妖気や物音を消せると思ったんでしょうけど」
「無駄、だっつーの!」
三蔵と八戒が気配に気付いていいた事を話した後、悟空は妖怪達に接近し攻撃を開始する。
「こうなったら……経文だけでもよこしやがれ!!」
1人の妖怪が三蔵一行に向かって叫ぶ。
その言葉に「今度は牛魔王の刺客ですね」と八戒は言いながら応戦する。
私も援護するべきかと思い一歩踏み出す。だが、そんな私に三蔵が「行かなくて」と私を止めた。
『いいの?……私、一応戦えるよ?』
「こんな雑魚相手に手間取るアイツらじゃねぇ」
『そうかもしれないけど……』
確かに悟空達は強いが、私もこれから一緒に行動するのに何もしなくて良いなんて言われると少し悲しくなる。
そんな気持ちを察したのか、軽く溜め息をした三蔵に
「……弱いからって訳じゃねぇよ。今はお前の能力を使う場面じゃないって事だ」
『……そっか、ありがとう』
そんなやり取りをしていたら、いつの間にか妖怪達は1人の妖怪を残して全て倒されていた。
割れた窓の近くで悟空や悟浄が「どーすんだよ」と言った感じて呆れたりしていると
「余裕ぶってる場合かよ、この厄病神が」
そう言った瞬間「きゃあぁぁぁぁぁぁ」と外から悲鳴が聞こえた。急いで窓から外を見ると、妖怪が街の人達を襲っている。
「何も狙いはお前達だけじゃない! 正義の味方ずらして、ざまぁねぇな!」
その言葉を聞いた三蔵は
「……死んどけ」
そう言って銃を妖怪のこめかみに当て引き金を引いた。