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西に旅して恋をする【最遊記】

第4章 黄色い瞳は何を見る(前編)


八戒の言葉に二人は攻撃を止める。

「ほんとだ……」

「確かに、妖気も感じねぇが……」

『(そっか、違和感はこれだったんだ……)』

妖怪じゃなく人間が襲って来た事で私の中にあった違和感が少し消えた。だが、どうして人間が?

「ころせ……殺せ……」

「妖怪は……殺せぇぇぇ!!」

彼らは悟空、悟浄、八戒の三人に向かって襲い掛かる。
何故かその瞳は全員、同じ黄色だと気付く。

『(黄色い瞳……いや、そんな事より今は)』

悟空達の援護をするべきと思い、車から降りようとした。だがそれは、三蔵によだて阻止された。

「ここにいろ、お前が行く必要はない」

『でも……』

「狙いはあいつらだけ見たいだからな」

『えっ?』

そう言われ、悟空達を見る。確かに私と三蔵には襲って来ていない。私が困惑している中、攻撃を防ぐ事しか出来ない状況で

「……っ! 人間とは思えねぇ力だぞ!?」

「ねぇんだよコイツら、生きてる匂いが全然しねぇ!」

と叫ぶ、悟浄と悟空。
それを聞いた三蔵が何かに気付いたのか銃を構える。

「さ、三蔵!」

「どけ、悟空!」

「バンッ

三蔵の銃が人間の一人に当たり倒れた。
倒れた瞬間、砂のような若しくは灰のような姿に変わり果てていた。
それを見て襲って来た人間は、驚き去っていってしまった。

「コイツら、式神か何か?」

「そうですね……だとしても、彼らが口にした事が気になります」

悟空が倒れた人間を如意棒で触り、八戒は彼らの言葉が気になる様子。
私とコンも車から降りて倒れた人間を見る。

『……ねぇコン、これって……』

「式神では無いですね」

「「「!!!?」」」

「………。」

式神では無い事を言うと三人はこちらを向いた。
「どうして分かる?」という顔をする四人だったが、三蔵は何も言わずに車へと戻る。

「さっさと行くぞ……嵐が来る」

そう言って歩き出す。
私達は顔を見合わせてから、三蔵の後を追い車で次の街へと向かうのだった。

『(……アニメでは見てたけど、厄介な展開だなー
少し不安だけど何とかなるよね、きっと!)』

そんな事を思いながら空を見上げ、そっと目をとし丸。

『(……展開が早くて疲れたなー。お腹もすいたし)』

『………。』

そんな私の姿をチラリと三蔵が見ている事も知らずに
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