第4章 黄色い瞳は何を見る(前編)
翌日、私達は次の街へとジープに乗って向かっていた。
私は後部座席で悟空と悟浄の間に座り、コンは私の膝の上にちょこんと座る。
「 ミコトさん、コン、車酔いなどは平気ですか?」
八戒が私を気遣って声をかけてくれた。
『私達は大丈夫。でも私が乗って白竜は重くない?』
「大丈夫ですよ。ねぇ、白竜?」
「キュキュー♪」
『ありがとう、白竜』
アニメでは四人で乗っていたのと、自分の体重で重くないか心配していた私は少しホッとした。
「 ミコトは軽いから大丈夫だろ! ほら!」
そう言って悟空が私をひょいっと持ち上げる。
コンは持ち上げる寸前、膝から降りて私を見ていた。
「 ミコトさん!?」
『ご、悟空!? あ、危ないから降ろして……!』
「おい悟空! 運転中に何やってんだ!?」
「危ないですから降ろして下さい!」
私を持ち上げた悟空を、コンは心配そうに私の名前を呼び、悟浄と八戒はは降ろすように止めに入る。
「えー、でも ミコト軽いし大丈夫だよ?」
『そう言う事じゃないよ……』
「うーん、軽いのになー……」
と言いながら悟空は私を降ろす。
「大丈夫ですか? ミコト……」
『ありがとうコン。大丈夫……』
コンは私の膝に戻り心配そうに声を掛けてくれた。
「悟空、運転中は危ないですから ミコトを持たないで下さいね?」
「ごめんな、 ミコト」
八戒に注意され、落ち込んだ悟空が私に謝って来た。
『ううん、怖かったけど大丈夫だよ』
そう言って笑顔で返事をする。
「そっか! 優しいな、 ミコトは」
悟空はその言葉で明るくなり、また楽しい会話を始めようとした時だった。
すると草むらから何かが飛び出し車ま急停止。
飛び出して来たのは妖怪……のはずだが何故か違和感を感じた。
『(……何だろ? なんか……モヤモヤする)』
そんな事を考えている中悟空と悟浄は戦闘態勢に入る。
「あっぶねーな!」
「やってやろーじゃねぇの!」
数人の妖怪は武器を構え悟空達に襲い掛かる。
「「「妖怪は……殺せ……」」」
そう言って妖怪達は襲い掛かる。
それに対抗しようと悟空達が駆け出した瞬間、三蔵と八戒は何かに気付く。
「っ! おい!」
「待って下さい! この人達は人間です!」