第18章 問題16 宇宙へどかん!~救出編~
「こんなモンぶちこむからビビって潜っちまったんだろうが。やっこさんが寝てたのを起こしたのは俺達だぜ。大儀を通す前にマナーを通せ、マナーを」
ゆっくりと立ち上がった銀時は地中へ逃げて行く砂蟲の姿を確認して、素早く飛び降りていった。
その姿を確認するのと同時に優姫は急いで船の出口の方へ走っていった。銀時なら絶対に大丈夫だと信じて。
外に出ると砂埃の中に銀時と坂本の座っている姿があった。
「銀にーちゃん!」
ぽすっと銀時に飛びつくと隣で寝転がっている坂本が言った。
「アッハッハッ、助かったぜよ」
「ウルセーよ、この馬鹿が」
「も――、大丈夫?」
優姫が尋ねると二人は笑顔で頷いた。
◆
「それにしても散々な宇宙旅行でしたねェ」
坂本の船で地球へ戻っている中、新八は大きく溜息をついていた。
「まあ生きてるんだから文句言うんじゃねーよ」
ぼりぼりと頭を掻きつつ、銀時はすぐ側にいる優姫の姿を見た。
「これなんかどうじゃ?綺麗なブローチおば似合うぜよ」
「凄いね――」
「キュー」
「おおぅ、シンそれは商いの商品おば食ったらあかんぜよ~」
「キュキュー」
楽しそうに坂本に船に積んである商品を見せてもらっているのだった。
ただ今優姫はお買い物の真っ最中。見た事のない品々の数に楽しそうに匂いを嗅いでいるシンの姿を、優姫は満足そうに見ていた。
「あ、そーだ」
何かを思い出した様に優姫は鞄の中をゴソゴソと漁りだした。
「「「「「 ? 」」」」」
何を出すのかと皆で見ていると中からごそり、と砂蟲の足が出てきたのだ。
「エェェェェェェェェェェ !?」
思いもしないモノが出てきて新八が声を上げると優姫はにこにこと言うのだ。
「これ近藤にーちゃんのお土産ー。ゲソー」
「食わせんな!絶対に死ぬから !! 」
「他のモノお土産にしよう!ね!」
必死に説得をする銀時と新八の姿を坂本はおもしろ楽しそうに笑うのだった。
(2007,9,6 飛原櫻)