第18章 問題16 宇宙へどかん!~救出編~
「この星の生態系で頂点に立つ生物。普段は静かだが砂漠でガチャガチャ騒いじょったきに、目を覚ましたか……」
「ちょっとアンタ自分の上司がエライ事なってんのに、何でそんなに落ち着いてんの !?」
新八のツッコミに動じる事も無く、陸奥は無表情のまま言った。
「勝手な事ばかりしちょるからこんな事に。砂蟲よォォ、そのモジャモジャやっちゃって~!特に股間を重点的に」
「何?何の恨みがあるの」
新八が叫ぶ中、懐から短銃を取り出した坂本が叫ぶ。
「アッハッハッわしがこんな所で死ぬかァァァ !! みんな逃げェェい !! 」
素早く撃ち、砂蟲に捕まっている人達を助け出していた。しかし、当の坂本は未だに砂蟲に捕まったままだ。
「でっかいね――。坂本にーちゃん大丈夫かな?」
心配しているのかしていないのかはっきりしない優姫に、新八が素早くツッコミを入れていると音を立てて砂蟲が砂の中から姿を現した。
「カタツムリ出てきた――!」
「違うから!カタツムリ違うから !! 大きすぎだって!」
そう叫んでいる中、砂蟲が船を地中に引きずり込み始めた。
「あわわわ」
コロコロと転がっていく優姫の事を陸奥が捕まえ、砂蟲に捕まっている坂本が大きな声で叫んだ。
「大砲じゃああああ !! わしはかまわんで大砲ばお見舞いしてやれェェェ !!!! 」
「でも坂本さん !! 」
新八が言う中、陸奥は素早く船員に向かって言った。
「大砲撃てェェェェ !! 」
その声で素早く大砲が砲撃準備され、新八は慌て言う。
「ちょっ……アンタ坂本さん殺すつもりですか !? 」
「奴一人の為に乗客全てを危機にさせられん」
陸奥は落ち着いた表情で言い切った。
「今やるべき事は乗客の命救う事じゃ。大儀を失うなとは奴の口癖……撃てェェェェェ !! 」
一斉に打ち出された大砲と坂本の姿を見て、優姫は慌てていざとなる時頼れる存在の姿を探し出した。
きょろきょろとしている優姫の姿を見て、シンは素早く鼻をきかせて鳴いた。
「キュー」
タタッと走り出すシンの後を追うと其処には銀時と神楽の姿が在った。
神楽に水の入っている大樽を押しつけている銀時の腰元に抱きつくと、いつもの笑顔で銀時は頭を撫でてくれた。
「俺に任せろ」
そう言うと銀時はすたっと大砲の上に飛び乗り言う。
