第18章 問題16 宇宙へどかん!~救出編~
『初めましてね、優姫ちゃん』
『はじめまして』
ぺこっとお辞儀すると隣にいる祖父母が笑顔で言っていた。
『娘の一人娘なんですよ。今日からウチで預かる事になりましてね』
『まあ、そうなんですか』
祖父母の家に預けられた日、隣の家の人と挨拶をした。
『ほら、貴史』
隣の家の女性に押されて一歩前に出てきた少年は、ちらっとこちらの方を見て小さく言った。
『……よろしく』
無愛想な息子に呆れながら女性は笑顔で優姫に言う。
『二人共同じ歳だから仲良くしてね』
江戸のトラブル娘
第16話 宇宙へどかん!~救出編~
ぼや~っと昔の事を考えつつ、優姫は宇宙船の中を歩き回っていた。
見知らぬ、変な星に墜落してしまった。取りあえず銀時達が外にいるので中を見回ってるのだ。
「キュ~」
「シン大丈夫――?」
その星がまた砂漠の暑い星だった為、シンはすっかりバテてしまっていた。
「お水無いねェ」
取りあえず最優先で大事なのは水だ、と言う事でまだ暑さにやられきっていない優姫が探す事となったのだ。
「困ったなァ……」
ぐったりしてしまっているシンの事を心配そうに見ていると、外から大きな音が響いてきた。
「?」
何の音だろう、と取りあえず水探しを中断して優姫は外へ出て行った。
◆
「アッハッハッハッハッすまんの~~陸奥!こんな所まで向かえに来てもらって」
頭を掻きつつ言う坂本に陸奥はきっぱりと言う。
「こんなこたァ今回限りにしてもらおう。わつぃらの船は救援隊じゃない、商いする為のもんじゃき―。頭のあんたがこんなこっちゃ困るぜよ」
一息つくと陸奥はすぐに言い続ける。
「それからわしらに黙ってフラフラすんのも今回限りじゃ」
「アッハッハッすまんの~。やっぱり女は地球の女しかうけつけんき」
「女遊びも歩度ほどにせんとまた病気うつされろ―」
「アッハッハッ、ぶっとばすぞクソ女」
毒舌トークを繰り広げている中、大きな船を見上げていた優姫と新八だったが、新八がやっと声を掛けた。
「……坂本さんコレ」
「ああ。『快援隊』ちゅーてな、わしの私設艦隊みたいなもんじゃ」
「おっき――!」
目を輝かせて喜ぶ優姫の頭を撫でつつ坂本は説明を続けた。
「ちゅーても戦する為の艦隊じゃのーて、この艦隊そのものが会社(カンパニー)なんじゃ」