第17章 問題15 宇宙へどかん! ~ハイジャック編~
そう言った銀時に不思議そうに顔を上げた坂本は、その顔を見た途端嬉しそうに言うのだった。
「おおおおお!金時じゃなかか !! おんしゃ何故こんな所におるかァ !? 久しぶりじゃのー金時!珍しいとこで会うたもんじゃ!こりゃめでたい!酒じゃ――!酒を用意せい !! 」
金時、金時連呼した坂本を銀時は思いっきり顔面を壁にぶつけて言う。
「銀時だろうがよォ、銀時!」
再びのびきった坂本に銀時はそう言い、操舵室へ入っていった。
操舵室の中に入るとそこら中煙が上がっていて最悪の状態だった。中で倒れている船長と思われる人の顔を坂本は思いっきり踏んでいた。
「オイ早くしろ !! 」
のんびりとしている坂本に向かってそう言う銀時に優姫は不思議そうに眺めていた。知り合いである事は見れば分かった。
「銀さん!ヤバイですよ。みんな念仏唱え出してます」
すると後からやってきた新八が乗客の状況を伝えてきたのだ。しかし銀時は坂本の後ろ姿を見てはっきりと言い切った。
「心配いらねーよ。あいつに任しときゃ……。昔の馴染みでな、頭はカラだが無類の船好き。銀河を股にかけて飛び回ってる奴だ……」
大きな機械相手に慣れた手付きで動いている坂本の後ろ姿を見て、銀時は満足そうに腕を組んだ。
「坂本辰馬にとっちゃ船動かすなんざ自分の手足動かすようなモンよ」
「……よーし、準備万端じゃ」
くぃっとサングラスを上げてから坂本はハツラツと叫んだ。
「行くぜよ!」
その手には気を失っているパイロットの足がしっかりと握られていた。
「ホントだ。頭カラだ……」
新八がツッコミを入れるのと同時に銀時は走って坂本の顔面を殴った。
「おーい、もう一発行くか?」
「アッハッハッハッ!」
坂本は鼻血を流しながら当たり前の様に言う。
「こんなデカイ船動かすん初めてじゃき勝手がわからんち」
それから辺りを見回し言い続ける。
「舵はどこにあるぜよ?」
「銀ちゃんこれは?」
「オイオイヤベーぞ!なんかどっかの星に落ちかけてるってオイ!」
「銀さんコレっスよ、コレ!」
上の階に合った舵を見つけた新八が力一杯舵を動かそうと試みたのだが、全く動く様子が無かった。
「ボクでかした。後はワシに任せ……うェぶ!」