第17章 問題15 宇宙へどかん! ~ハイジャック編~
どうするべきなのかと優姫は頭を悩ませるのだった。
すると突然のハイジャック放送が流れしばらくしてから爆音が響いた。
「あわわわ――」
その揺れにバランスを崩しかけた優姫をぱっと支えて坂本は言う。
「今日はばよく揺れるの――」
「でもなんか爆発してたよー?」
「気にする事なかとに。ほれほれ嬢ちゃん席まで送っちゃる」
フラフラと歩く坂本の姿を見て優姫は純粋に思った。
(……倒れそう)
◆
「定春ぅ !! このヤロー定春ば帰すぜよォォォォ !! 」
ドアを開けた途端神楽の跳び蹴りが坂本にクリーンヒットした。どうやら神楽は坂本が定春を誘拐したと思っているらしい。
「あわわ――坂本にーちゃん大丈夫――――?」
どう対処すれば良いのか迷う優姫の元に銀時は駆け寄ってきて言った。
「優姫無事だったか?…………ってコイツァ……」
のびている坂本を見るなり銀時は驚いた表情をしていた。
「銀さん知り合い?」
歩いてきた新八に対して銀時が答えようとした瞬間、再び大きな爆音と共に機体が大きく揺れた。
「大変だァァァァ !! 操舵室で爆発がァ!操縦士達も全員負傷 !! 」
誰かの叫び声と共に操縦士を失った機体が上下左右に大きく揺れだした。
「わわわわっ」
「優姫っ!」
派手にコロコロと転がっていた所、急いで手を伸ばして来た銀時に抱きかかえられ、やっと一息つく事が出来た。
「ふへぇ~~」
軽く目を回している優姫の事を落とさない様に必死になって銀時が抱きかかえている中、乗客達の叫び声が響いていた。
「どなたか宇宙船の操縦の経験のある方はいらっしゃいませんか !? 」
「もう誰でもいいから助けてェェェェ !! 」
「宇宙船の経験 !! 」
銀時は延びきっている坂本の事を見ると急いで立ち上がった。
「優姫行くぞっ」
「ふへ~~?」
未だ目を回している優姫の手をしっかりと握りしめ、もう片方の手で乱暴に坂本の髪の毛を掴んで銀時は走った。
「イタタタタタタ !! 何じゃ―― !! 」
バタバタと走る中、状況を理解出来ぬ坂本は言う。
「誰じゃ―― !? ワシを何処に連れていくがか?」
「テメー確か船大好きだったよな?操縦くらい出来るだろ !! 」