第17章 問題15 宇宙へどかん! ~ハイジャック編~
「「 友達なんかじゃねェェェェェェ !! 」」
声を揃えて怒鳴った土方と銀時の事をくすくすと笑いながら菊は言う。
「立ち話もなんだし中へどうぞ。お茶菓子も出しますよ」
◆
「宇宙旅行―― !? 」
興味津々でこれ以上ないくらいの表情で尋ねられ、新八は答える。
「うん、神楽ちゃんが福引で当ててね。四名様だから優姫ちゃんもどうかな、って」
「行きたい行きたい行きたい―――― !!! 」
興奮する優姫の事を落ち着かせてから土方は言い放つ。
「んな宇宙旅行なんか危ねェモンにほいほい優姫を行かせる訳ねェだろうが」
「え―― !? 行きたい――宇宙の塵になるゥ――」
訳のわからない発言をし、土方は大声で怒鳴り言った。
「絶対に行かせねェぞお前はァァァァァァ !! 」
「まあでも宇宙旅行なんて滅多に出来る体験じゃないのだし、社会見学って事で行かせてあげたらどう?」
茶菓子を運んできた菊がそう言った為、土方は困った表情で優姫を見た。優姫は『行きたい』と言わんばかりの表情でこちらの事をじーっと見つめている。
「しかしなァ…………」
確かに宇宙旅行に出すのは心配な部分があるが危険な事はない。ただ万事屋が連れて行く、と言う事が気に食わないのだった。
正確には『銀時』が連れて行く、だが。
「なんだか騒がしいなァ。どうかしたのか?」
ひょっこりと顔を覗かした近藤に優姫は飛びついて言った。
「宇宙行きたい !! 宇宙の藻屑になる―― !! 」
「はあ?」
◆
「なるほど。宇宙旅行ね」
優姫の発言が理解不能であった為、近藤は一通りの事を新八から聞き納得していた。
「丁度一週間後なんですよ出発」
「行きたい行きたい――」
腕を揺らして言う優姫の頭を優しく撫でてから近藤は笑顔で言った。
「連れて行ってもらって良いかな?」
「近藤さっ……… !? 」
「わ――い!」
優姫は足元で涎を垂らして爆睡していたシンの前足を掴んでくるくると回りながら言う。
「シン宇宙旅行だよ――!宇宙の塵になりに行こうね―――」
いきなり眠りから覚まされたシンは訳がわからないと言う感じのまま、涎を辺りに撒き散らしていた。