第16章 問題14 おっきくもふもふ
「………………ふえ?」
朝起きた優姫は自分の枕元を見て一瞬固まった。
「…………えと……」
少し考え込んでから優姫は再び枕元を見た。
「…………ぐー」
「わァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ !! 」
次の瞬間優姫は大声を上げるのだった。
江戸のトラブル娘
第14話 おっきくもふもふ
「優姫どうしたァァァァァ !? 」
バン!と外れる勢いで襖を開けた十四郎も目の前の飛び込んで来た光景に目を点にしてしまう。
「優姫ちゅあん!どうし……」
悲鳴を聞きつけて飛んできた近藤も飛び込んできた光景に固まった。
「えと……シン?」
おそるおそる手を差し伸べてみるとパチッと目を覚ました『ソレ』、は勢いよく優姫に飛びつくのだった。
「わぁ !! 」
「キュー」
「「 やっぱりそれアレなのかァァァァァァァ !? 」」
近藤と十四郎が同時に悲鳴を上げるとひょっこりと顔を覗かせた総悟が言った。
「誰ですかィ?優姫に抱きついてるそのスッポン男は」
◆
「はァ?大串君アンタ馬鹿ですかァ?」
「誰が大串だ !! 」
屯所縁側を歩く銀時に馬鹿にされ十四郎は大声を張り上げていた。
「いきなり『有無言わず屯所に出頭してこい』なんて言う伝達寄こすから、やっと優姫くれるかと思ったのによォ」
「斬られてェのかテメェは !! 」
先程からぎゃーぎゃーと騒ぐ二人の後ろにいる新八と神楽は、呆れ顔でその光景を見ていた。
「でも本当にどうかしたのですか?銀さんにそんなモノ持ってこさせて」
新八が十四郎に尋ねる中、神楽は銀時が持っている着物に目線を移しつつ言う。
「お前銀ちゃんのコスプレでもするアルか?」
「誰がするかっ !! 」
全力で否定しつつ、十四郎は答える。
「着るのは俺じゃねェ、シンだ」
「だから馬鹿ですか、アンタ?」
「状況見てから文句を言えェェェェェ !! 」
青筋を立てて怒る十四郎を見つつ居間にやってくると襖を開けて総悟が顔を出し言った。
「やっと来たですかィ」
「何で俺が向かえに行かなきゃいけねェんだ」
気に入らないと言わんばかりの十四郎を無視し、総悟は銀時に言った。
「旦那わざわざ悪いですねィ」
「まあ優姫の頼みなら仕方ねェけどな」
「オイ無視か !? 無視なのか !? 」