第14章 問題12 ご自慢ペット対決
「地球外生物をペットにしている飼い主に自分のペットを自慢してみませんか?みたいな番組が今度あるらしくな、優姫殿も出る事が出来るのではないかと思ってな」
桂に説明され、優姫は本当に不思議そうな表情をしてから言う。
「私が出られる?」
「シンがいるだろう」
そう言われ、優姫は足共にいるシンを見て答えた。
「ふぇ?シンって宇宙人だったの?」
「宇宙外生物だな」
ずっとシンの事を犬だと思っていた優姫は抱き上げるとにこにこと言っていた。
「シンすごーい。宇宙から来たんだ」
「取りあえず出て損は無いと思うからどうだ? 豪華賞品も出るらしい」
「ごーかしょうひん?ん――――」
特に商品に興味の無い優姫は腕を組んで考え込むのだった。
◆
「最後はなんと『あの』真選組屯所から愛らしいペットのシンくんと、またそれに劣らない位愛らしい飼い主の近藤優姫ちゃんです」
司会者に紹介され、優姫は頭にシンを乗せたまま笑顔で会場に出た。
「あ、銀にーちゃん」
先に出場していた坂田さんファミリーこと銀時達を見て、優姫は笑顔で手を振った。
「この頭に乗っかってるのがシンくんだね――。いやー前の二組のペット見た後だもんで余計に愛らしく見えるねー」
定春とエリザベスを見てからどさくさに紛れて司会者はそんな言葉を発していた。
「シンはね、もふもふしてて大人しくて可愛いの――」
へにゃっと答えた優姫に司会者はついつい頬を赤くしながら言い出す。
「いやいや優姫ちゃんも可愛いねー」
「何どさくさに紛れて言ってるんですか !! 」
すかさず新八のツッコミが入り、司会者は咳払いをしてから言う。
「それじゃあアピールタイム終えて対決にうつらせてもらいますよ」
司会者は骨を取り出して説明を続けるのだった。
「私の投げたフライドチキンの骨を先にくわえ持ち帰った方が勝ち。飼い主の誘導もけっこーですよ」
「シン、あれ投げたら取って来てね」
にこっと微笑んで説明した優姫にシンは大きく鳴いた。
ステージから移動し、定春、エリザベス、シンが一列に並び司会者が大きな声で言った。
「それじゃあいきますよォオ。位置についてェェよ~~い、ど~~~~ん !! 」
司会者が声と同時に骨を思いっきり遠くへ投げ飛ばし、定春とエリザベスが同時にばっと走り出すのだった。
