第14章 問題12 ご自慢ペット対決
「シン、今日はこっちにお散歩行こう」
かぶき町を優姫はシンと二人で仲良く走っていた。
優姫の日課のシンの散歩。
「今日はこのまま万事屋にでも遊びに行く~?」
パタパタと抜け道を走りながら万事屋の方へ走っていた。
「あ、行きにお団子でも買ってく?シンお団子大好きだし」
にこにことシンに話しかけていると、大通りを歩いていた人にぼすっとぶつかってしまった。
「わっ……ごめんなさ……」
鼻頭を擦りながら優姫は顔を上げて目の前に飛び込んできた人物に目を輝かせた。
「………でっかい」
江戸のトラブル娘
問題12 ご自慢ペット対決
「優姫殿ではないか」
その人物の背後からひょっこりと顔を出した桂に、優姫は顔を輝かせて言う。
「桂にーちゃんだ」
嬉しそうな表情で言う優姫に桂は尋ねた。
「優姫殿は今から銀時の所にでも行くのか?」
「うん、シンのお散歩しながら」
にっこにこと答えた優姫に桂は不思議そうに首を傾げた。
「シン?」
優姫は足下にいるシンを抱き上げると言う。
「もふもふのシンなの――。可愛いでしょ」
「宇宙生物の一種の様だな……」
マジマジとシンの事を見て言う中、優姫の事をじーっと見てくるソレに桂に尋ねた。
「桂にーちゃん、桂にーちゃん」
「ん?どうかしたか?」
羽織の裾を引っ張ってくる優姫の言いたい事を理解し、桂は答えた。
「エリザベスだ」
桂にエリザベス、と呼ばれたその生き物は無言ですっと優姫に向かって手を差し出してきた。
「エリザベス?」
じーっと見上げているとエリザベスに頭をぐりぐりと撫でらた。すると警戒心が解けたのか優姫は嬉しそうな表情でエリザベスに抱きつくいて言う。
「でっかい……」
ぎゅーっとエリザベスに抱きついている優姫に桂は言った。
「今から河川敷へ行く予定だが一緒について来るか?銀時の所へ行くのなら無理強いはしないが」
「エリザベスと遊びたい!」
目を輝かせて言う優姫に桂はにっこりと微笑むのだった。
◆
「第一回宇宙で変てこペットグランプリ?」
楽しそうにエリザベスと遊んでいた優姫は不思議そうに尋ねる。