第13章 問題11 お花見ワッショイ
「お花見―――― !? 」
朝からパタパタと忙しい屯所に不思議に思い十四郎に訪ねた優姫は嬉しそうに言っていった。
「真選組毎年恒例行事だな」
「行く行く―― !! 私も行く―― !! 」
優姫はめいいっぱい手を上に挙げて言うのだった。
江戸のトラブル娘
問題11 お花見ワッショイ
「おっはなみっおっはなみっ」
上機嫌で花見会場へ向かっている優姫の後ろ姿を見て総悟は言った。
「優姫嬉しそうですねェ」
「こんなに大人数で花見するのは初めてだって言ってたからな。まだまだガキなんだよ」
煙草の煙を吹き出して十四郎はそう言った。
「まァ優姫は其処が可愛いんですよ。ガキが嫌いでしたら優姫は俺に渡してもらいましょうかィ」
さらっと黒くなった総悟に青筋を立てている十四郎の姿を見て、優姫は不思議そうに首を傾げた。
「きれ――い!」
花見会場に着くと其処は一面の桜色でたくさんの花見客で賑わっていた。
「シン凄いよ!こんなに桜咲いてる――!」
きゃっきゃっと喜んで動き回っている優姫の姿に、隊士達はほんわか~と癒されているのだった。
「いつも仕事で男ばっかりでむさ苦しいけどさ――。優姫ちゃんの姿見ると癒されるよねェ……」
「あ――あんなに喜んで走り回っちゃってて可愛いなァ……」
「「「「 本当に優姫ちゃんは可愛いなァ 」」」」
じーんと優姫の姿に癒されている隊士達を横目に十四郎は言った。
「そう言えば近藤さんの姿が見えないけど何処に行ったんだ?」
「さっきまで一緒にいたんですけどねェ。忽然と姿を消しましたさァ」
さらっと答えた総悟に十四郎は呆れかえってしまう。嫌な予感しかしなくて。
「オイ優姫、勝手に動いてると迷子になるぞ」
十四郎に呼ばれ、ぴたっと立ち止まると優姫はたたっと走り戻ってきて、十四郎に抱きついて言った。
「お花見すご――い !! 」
「お――そうか良かったな」
ぐしぐしっと頭を撫でてやると優姫は嬉しそうに微笑んだ。
「そう言えば近藤にーちゃんは ? 」
総悟と十四郎と手を繋ぎながら優姫は尋ねてきた。
頭の上に乗っているシンも近藤の事を探してきょろきょろしているのだが、何処にもいないと言っているかのようにキュー、と小さく鳴く。
「先に場所取りした場所に行ったのかしれませんぜィ」