第11章 問題9 もふもふもふもふ
山崎が叫んだのと同時に三人が攻撃を仕掛けたので、大きく息を吸うと優姫が怒鳴った。
「三人共正座―――――― !!」
ぴしゃんと雷が落ちて全員の動きが止まった。
「三人共退にーちゃん虐めちゃ駄目でしょ !! 」
庭に正座をしている三人に向かって優姫はプンプン怒りながら言い続ける。
「みんな退にーちゃんの事虐めちゃ駄目!」
珍しく怒っている優姫に隊士達がぞろぞろと集まって覗き見ていた。
野次馬、と言うよりは怒っている優姫可愛い、と言うロリコン魂強めの集まりだったが。
「あんまり退にーちゃんの事ばかり虐めたら絶交だからね !! 」
本気で言っているらしいプンプン状態の優姫の事を宥めながら山崎は慌てて説明をした。
「あのですね、何を勘違いしているのか分からないんですけど、別に俺優姫ちゃんに個人的な好意寄せてる訳じゃありませんし。と言うよりも最近の優姫ちゃんの様子の事調べて来ただけですよ」
「優姫の事ストーカーしたのか……」
刀に手を伸ばした十四郎に山崎は両手を振って否定して言った。
「ストーカーなんかじゃないですよ!局長じゃ無いんですから !!」
「あれ?さりげなく酷くない?」
ストーカー扱いされた近藤がそう言ったのだが、山崎は無視して優姫の頭をさして説明した。
「てかみんなコレ見えて無いでしょ?」
そう言われ始めて優姫の頭の上に乗っているもふもふの存在に気付き、十四郎は不思議そうに言うのだった。
「何だそりゃあ」
ぱたぱたと尻尾を振っているもふもふを見て優姫は笑顔で答える。
「もふもふ !! 」
「えっと多分何処かの星の生物だと思うのですけどね、優姫ちゃん見つけたみたいで今までこっそり飼ってたらしいです。最近食事残してたのこの子に食べさせてたみたいで」
もふもふの頭を撫でながら山崎が説明していると優姫が言うのだった。
「あのね……、この子此処で飼っても良い?」
へにゃっと笑顔でいる優姫の事をぽかーんと見ていた三人に向かって山崎は付け加えた。
「とにかく優姫ちゃん恋煩いなんか全くしていませんでしたから。ただ隠れて飼ってただけですよ」
優姫が誰かを好きになった訳じゃないと分かった途端、近藤は優姫の事をぎゅむーっと抱きしめながら言うのだった。
「もちろん良いに決まってるだろう~~」