第10章 問題8 銀髪の侍さんを探せ
「何言ってるっス!悪い奴等に決まってるっス !! 」
はっきりと言ったまた子に優姫はしゅんとしながら独り言の様に答えた。
「近藤にーちゃんも土方にーちゃんも総悟もみんな凄く優しいんだよ……」
その一言にまた子は目を見開いて言ったのだ。
「お前まさか……真選組局長や鬼の副長、一番隊長に気に入られてるっスか?」
「ふえ?……えとね近藤にーちゃんが私の身元引き取り人で、土方にーちゃんのお部屋で寝泊まりしてて総悟と一緒に遊ぶの」
にこっと微笑んだ優姫にまた子は顎に手を当てながら言う。
「……あの三人がこいつに執着しているのは大きな収穫かもしれないっス。使いようになれば……」
優姫は真選組を崩す為の人質として使う事も出来るかもしれない。そう思ったまた子は優姫に言うのだった。
「とにかく晋助様が良いと言うまでは、ずっと真選組の奴等と一緒にいるっスよ。絶対の約束っス」
「うん、分かった」
はっきりと頷いた優姫を見てからまた子は姿を消すのだった。
「晋助……元気にしてるのかな…………」
晋助の真意も自分の置かれている状態も何も知らずに優姫は小さく呟いたのだった。
(2006,10,2 飛原櫻)