第10章 問題8 銀髪の侍さんを探せ
「あのね、屯所でね、近藤に―ちゃん負けちゃったってみんなが凄く騒いでてね、みんな物凄い勢いで出かけちゃったと思ったらコレが落ちてたの」
「ラブレターあるか?」
酢昆布をくわえながら覗き込んできた神楽と新八は、書かれている内容を見た。
「何々? 『白髪の侍へ !! てめェコノヤローすぐに真撰組屯所に出頭してこいコラ!一族根絶やしにすんぞ。真選組』。…………何コレ?」
眼鏡を動かして何度も見直す新八に優姫は答えた。
「白髪の侍って坂田に―ちゃんの事だよね?みんなが凄く恐かったし坂田に―ちゃんの事呼んできた方が良いかなって思って来たの」
お茶を飲んで答えた優姫に新八は困りながら言う。
「銀さんが卑怯な手を使って倒したあの人……、確か真撰組の局長なんだよね?銀さん分かってやってたみたいだけど大丈夫なのかなァ……」
新八が心配そうに言うと玄関のドアがガララと開いて銀時が戻って来た。
「銀ちゃん早いアルね」
「あ、銀さんちょっと話が……ってどうしたんですかその怪我 !? 」
戻ってきた銀時が怪我をしているのを見て新八は慌てて尋ねた。すると銀時は面倒臭そうな表情で答えてきた。
「あ――――大串君と感動の再会してね」
「意味が分からないです」
新八がズバッとツッコミを入れると優姫が駆け寄って来て言った。
「坂田に―ちゃん大丈夫?」
ぎゅっと服を握りしめて尋ねて来た優姫に銀時は笑顔で答える。
「で―じょぶで―じょぶ。銀さん無敵だからこれくらいの怪我すぐに治るから」
ぐしゃぐしゃっと頭を撫でてやると優姫は不安そうな顔をしつつも笑顔になった。
◆
「んでさ――優姫はどうして今日来たんだ――?」
優姫の事をすっぽりと膝の中に抱え込んでご機嫌でいる銀時が尋ねると、新八がさっと紙を手渡すして言う。
「それ優姫ちゃんが屯所で見つけたモノらしいですよ」
「ん――――?『白髪の侍へ !! てめェコノヤローすぐに真撰組屯所に出頭してこいコラ!一族根絶やしにすんぞ。真選組』」
じっと見ていた銀時は納得した様に紙をくしゃくしゃに丸めて言う。
「そ―言う事ですかコノヤロ―」
ぺいっと丸めた紙をゴミ箱へ投げ入れると、優姫の事をぎゅ―っと抱きしめて銀時は言いだした。