第9章 問題7 おにーちゃんはゴリラ、おねーちゃんもゴリラ
すたすたと歩きながら銀時は誇らしげに言い切る。
「ヒーローが大なんてするわけね―だろ、糖の方だ」
「糖尿に侵されたヒーローなんて聞いた事ね―よ !! 」
ずばっとツッコミを入れ、いろいろと話をしていると段々と人が集まりだし、優姫は声を掛けられた。
「お嬢ちゃん、橋の下で何やってんの?」
「えっとね………お妙さんをかけて決闘なんだって」
自分もかけられている事など全く知らずに答えると橋の下を覗き込んで町の人達は言う。
「へ――面白そうな事してるじゃん。あ、始まるみたいだな」
そう言っているので橋の下を覗くと折れた木刀を見て叫んでいる近藤がいるのだった。
「あれェェェェェェェェェェ !? ちょっと待て先っちょが…………」
銀時は得意げに近藤の事を木刀で殴り飛ばした。
「ねェェェェェェェェェェェェ !! 」
勢いよく飛ばされる近藤に銀時ははっきりと答えるのだった。
「甘ェ……天津甘栗より甘ェ。敵から獲物借りるなんてざよォ~~」
銀時は折れた木刀を拾って言った。
「厠で削っといた。ブン回しただけで折れるぐらいにな」
「貴様ァそこまでやるか!」
銀時は近藤の事を見下し笑いながらはっきりと言い続ける。
「こんな事の為に誰かが何かを失うのは馬鹿げてるぜ。総てを丸くおさめるにゃコイツが一番だろ」
「コレ………丸いか……?」
ガクッと気を失ったのを確認すると銀時は何事も無かったのかの様に言うのだった。
「よォ~~どうだこの鮮やかさ。優姫もゲットしたし早くかえ…………ちゃぶァ !! 」
銀時が言い終わる前に神楽と新八が銀時の上に蹴り降りて来て、ばきばきにリンチしながら言う。
「あんな事までして勝って嬉しいんですかこの卑怯者 !! 」
「見損なったヨ!侍の風上にも置けないネ !! 」
「お前姉ちゃん護ってやったのにそりゃあないんじゃないの !? 」
ボコボコに殴られ蹴られながら必死になって言っていると、やっと橋の下へ降りてきた優姫が急いで走って来きていた。
「優姫ちゃ……」
「近藤に―ちゃん !! 」
優姫は銀時の顔面を踏んで、倒れている近藤の元へ走っていくのだった。
「に―ちゃん、に―ちゃん!大丈夫 ?? 」
わさわさと近藤の事を揺らしている優姫を見て銀時は一番のダメージを受けた。
