第9章 問題7 おにーちゃんはゴリラ、おねーちゃんもゴリラ
ぎらっと黒くなった妙に銀時が引きつっていると、その事を本気だと思った近藤はギリギリと歯ぎしりしながら言った。
「あ……あんな事もこんな事そんな事もだとォォォォォォォォ !! 」
「いやそんな事してないですよ」
後ろからの新八のツッコミを無視し、近藤は言った。
「いやっ!いいんだお妙さん!君がどんな人生を歩んでいようと俺はありのままの君を受け止めるよ。君がケツ毛ごと俺を愛してくれたように」
びしっと決めたのだがお妙は即答で答えた。
「愛してね―よ」
近藤は未だのんびりと席に座ってパフェを食べている優姫と妙を見て銀時を指さし言うのだった。
「オイ白髪パーマ!お前がお妙さんの許嫁の上、俺の可愛い優姫ちゃんにまで手を出そうとは良い度胸だ!決闘しろ !! お妙さんと優姫ちゃんをかけて !! 」
「う?」
急に話を中に入れられ、優姫はスプーンを口に咥えたまま顔を上げた。
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「よけいな嘘つかなきゃよかったわ。なんだかかえって大変な状況になってる気が……」
場所を喫茶店から橋へ移動し、橋の下の方に立っている近藤を見て妙は言う。
「それにあの人多分強い……決闘を前にあの落ち着きぶりは、何度も死線をくぎり抜けてきた証拠よ」
心配そうに言う妙に対し、神楽は得意そうに言った。
「心配いらないヨ。銀ちゃんがピンチの時は私の傘が火を噴くネ」
「なんなのこの娘(こ)は」
妙と新八が呆れ顔で神楽を見ている中、優姫は笑顔で橋の下にいる近藤に向かって手を振っていた。
「近藤に―ちゃん頑張れ~~」
「おお――優姫ちゃ~~ん!おに―ちゃん絶対に勝つから待っててね~~」
デレデレとしている近藤を姿を見て新八は呆れながら言う。
「物凄いシスコンっぷりですね」
「つ―かなんであんなゴリラと優姫が同じ血が通ってるアルか。信じられないネ」
近藤と優姫の事を見比べて言った神楽に優姫は笑顔で答えた。
「近藤に―ちゃんは義兄だよ」
「良かったアルゥゥゥゥゥゥ !! 」
血が通って無かった事がそんなに嬉しかったのか、神楽は優姫の事をぎゅ――と抱きしめるのだった。
「おいッ !! アイツはどーした !? 」
「あ――なんか厠行ってくる言ってました」
新八が言うのと同時に厠から戻ってきたらしい銀時が姿を現した。
「来たっ!遅いぞ大の方か !! 」
