第8章 問題6 モジャモジャぱーらめんと
「あ、私があげたチュッパチャップス」
其処には一ヶ月前に銀時にあげたチュッパチャップスが未だ封を開けられずに置かれていたのだ。
「まだ食べて無かったの?」
首を傾げて尋ねると銀時はチュッパチャップスを大切そうに取ると答えた。
「そりゃあ優姫がくれたモンだぜ。食える訳ねぇだろう」
スリスリと頬ずりをしている銀時を無視し、神楽と新八は優姫を呼ぶ。
「銀ちゃん変態だから気にしたら駄目アルよ」
「優姫ちゃんに手を出さない様にしっかりと監視するから安心してね」
何故此処まで意気込んで言っているのか分からずに優姫は首を傾げた。
◆
「ほれ――楽しいか――」
「きゃ―きゃ―」
銀時の椅子に座らせてもらい、くるくると回してもらって優姫はご機嫌でいた。
「お茶で良いですよね」
台所から四つ湯飲みを持ってきた新八に神楽が答える。
「ご飯持ってくるアルね!」
「まだご飯の時間じゃ無いよ !! 何時だと思ってるさ !! 」
「三時アル」
「威張るな !! 」
ぎゃ―ぎゃ―と騒ぐ二人を見て優姫は楽しそうに言うのだった。
「此処凄く楽しそう」
「そうだろ――?優姫も此処に住んで良いんだぞ――」
ぎゅ―っと優姫の事を抱きしめながら銀時が言うと、優姫は笑顔で答えた。
「私のお家は屯所なの―」
悪気無くはっきりと言われ、銀時は地味にダメージを受けた。
「でもたくさん遊びに来たいな」
にぱっとそう言われ銀時は嬉しさにぎゅーっと抱きしめる。
「も――本当に可愛いすぎだっつ―の」
「坂田にーちゃんは格好いい――」
にっこりとそう言われ、銀時は悶えるのだった。
◆
「あ、そろそろ帰らないと」
時計を見てからひょいっと椅子を降りて優姫が言うと、銀時も神楽も淋しそうに言い始める。
「もう帰っちゃうの~~銀さん淋し~~」
「私もっと優姫と遊びたいアルね!」
そんな二人と対照的に新八は当たり前の様に言うのだ。
「二人とも何言ってるですか。あ、優姫ちゃん全然気にしないで帰って良いからね」
「うん」
大きく頷いて帰ろうとしたら銀時が抱きついてきて言うのだった。