第8章 問題6 モジャモジャぱーらめんと
ふーっと煙を吐きながら言った老女に優姫は笑顔で答える。
「えっとねお友達になったから遊びに来たの」
「全くアイツもタイミング悪い時に出掛けてるねぇ。まあいつ帰ってくるか分からないし何か飲ませてあげるよ」
「いいの !? 」
パァッと目を輝かせて尋ねる優姫に老女はしっかりと頷く。にこにこと見てくる優姫を見て老女は手招きするのだった。
「退にーちゃん、入ろうよ !! 」
「あ~~一応仕事中だから優姫ちゃん一人で行っておいで」
ここで待ってるから、と山崎に言われ優姫はむぅっとしつつも一人中へ入った。
「おや、連れは入らないのかい?」
「お仕事中だから外で待ってるって」
「そうかい。ほらオレンジジュース」
コト、とカウンターにコップを置いてもらい、優姫は喜んで飲みながら尋ねる。
「おば―ちゃんは坂田に―ちゃんのおば―ちゃんなの?」
首を傾げて尋ねてくる優姫に、老女はきっぱりと言うのだった。
「あんな孫冗談じゃないね。アレは上に住んでる奴だよ」
「じゃあおば―ちゃん大家さんなの?」
興味津々に尋ねてくる優姫に老女は煙を吹きながら言った。
「そうだよ。だけどあいつ家賃滞納してばっかりでお嬢ちゃんからも何か言ってやってよ」
そう言われう―う―唸っているとガラガラガラと扉が開いてやる気の無い声が聞こえた。
「ババァ――なんか食わせてくれ」
「アンタにやる飯なんか一つもないよ。それよりお客さんだよ」
「はぁ?」
やる気なさげに顔を上げた銀時だったが、カウンターに座っている優姫の事を見て飛びつくのだった。
「優姫ちゃんじゃないの~~どうしたの?銀さんに会いに来たのか」
ぎゅむ―っと抱きしめて言う銀時を見て老女は呆れ顔で言うのだった。
「アンタ何時の間にそう言う趣味になったのさ」
「良いだろ別に――――」
わしゃわしゃと頭を撫でながら満足げに言っていると、続く様にひょっこりと顔を出した新八が言った。
「お登勢さん、銀さん見て……ってあれ、優姫ちゃん?」
銀時の腕の中にすっぽりと収まっている優姫を見て言うと、新八の後ろから神楽が飛び出して言うのだった。
「優姫久しぶりアル――!」
銀時の事を蹴り飛ばして優姫に飛びつくと新八が慌てて言う。
「ちょっと神楽ちゃんの怪力で人抱きしめたら死んじゃうってば !! 」
