第8章 問題6 モジャモジャぱーらめんと
はっきりと腕を組みながら言った菊に総悟もぼそっと漏らした。
「……だけどォ俺達の説教は二時間でェ優姫への説教は一言ですかィ」
さすがに二時間も説教されれば総悟であれども疲れてしまう。ぐったりとしている三人をよそに菊は優姫に言う。
「あ、それから説教と一緒に優姫ちゃんの外出許可取ったから今日から自由に外に遊びに行っていいんだよ」
その一言に優姫はパァっと顔を輝かせて言ったのだ。
「本当 !? それなら私行きたい所あるの !! 」
元気よく手を挙げて言う優姫に菊は山崎に向かって言った。
「近藤さん達疲れてるみたいだから退君連れていってあげてよ」
「了解です」
びしっと敬礼して言った山崎は優姫に言うのだった。
「で、何処に行きたいの?」
「あのね……」
◆
「此処がそうなの?」
「ですねェ……ほら、万事屋銀ちゃんって看板ありますし」
「でも下にはスナックお登勢って書いてあるー」
「一階がスナックで二階が万事屋なんでしょうね」
山崎と一緒に優姫はそう話をするのだった。
◆
『あのね私此処に行きたい!』
ずぃっと山崎に見せたのは名刺であり、万事屋銀ちゃん 坂田銀時と書かれているのだった。
『万事屋銀ちゃん……?』
見入る様に名刺を見て言うと優姫は笑顔で言った。
『坂田のに―ちゃんとお友達になったから遊びに行くの』
にっこにこと答えた優姫に倒れていた近藤が叫ぶのだった。
『優姫ちゃぁぁぁぁぁぁぁん!に―ちゃん置いて知らない所に行かないでェェェェ !! 』
『五月蠅いよ、近藤さん。良いじゃない好きな所に行かせてあげれば』
きっぱりと菊がそう言い、優姫と山崎を送るのだった。
◆
「取りあえず行ってみますか」
二階へ上がる階段を見つけた山崎がそう言って優姫を見ると、一階のドアをガラガラと開けていた。
「いやそっちじゃないよ絶対に !! 」
二階への階段を全く無視してスナックの扉を開けた優姫に、山崎は素早いツッコミを入れるのだった。
「いらっしゃ…………おや、此処はお嬢ちゃんみたいな子が来るところじゃないよ」
カウンターで煙草を吸っていた老女にそう言われ、優姫は尋ねた。
「此処に坂田のに―ちゃんいるの?」
「坂田の……?ああ銀時の事かい。奴なら今ちょっと出かけてるけど仕事の依頼人かい?」