第7章 問題5 テロリストはヅラ
すると銀時が素早く桂の胸元を掴み、時限爆弾はゴトと床に落ちるのだった。
「貴様ァ桂さんに何をするかァァ !! 」
攘夷志士の怒鳴り声を無視し、銀時は桂だけを見て言う。
「……桂ァ。もうしまいにしよーや。てめーがどんだけ手ェ汚そうと死んでった仲間は喜ばねーし、時代も変わらねェ。これ以上薄汚れんな」
桂は自分の着物を掴む銀時の腕を掴んできっぱりと言い返してきた。
「うす汚れたのは貴様だ銀時。時代が変わると共にふわふわと変節しおって。武士たるもの己の信じた一念を貫き通すものだ」
「…………」
そんな銀時と桂の姿を見た優姫は慌てて二人の元に駆け寄ってしがみついた。
「優姫 !? 」
「……優姫殿?」
ぎゅっと力強く二人の着物を掴み、優姫は泣き出しそうな表情で言った。
「…………喧嘩しちゃやだ」
「……優姫……」
「喧嘩……やだ」
潤んだ瞳で訴える優姫に銀時は笑顔で言ってやる。
「喧嘩してねェから大丈夫だ」
「本当?」
ちらっと桂の方に視線を移し、その純粋な瞳に桂は溜息をついてから頷く。
「ああ、もう喧嘩はしていない」
パァっと優姫の表情が明るくなった瞬間、先程から転がっている時限爆弾をつついていた神楽が照れくさそうな表情でいきなり言ったのだ。
「銀ちゃん。コレ……いじくってたら…………スイッチ押しちゃったヨ」
「ちょっとォォォォォ !!!! 」
隠れていた部屋の襖を派手に蹴り飛ばして銀時達は飛び出して言った。
「なっ……何やってんだ止めろォォ !! 」
止めろ、と言う単語を聞き、銀時はすっと時限爆弾を出して叫び言う。
「止めるならこの爆弾止めてくれェ !! 爆弾処理班とかさ……なんかいるだろオイ !! 」
銀時が爆弾を持っている事を知った途端、隊士達がバタバタと逃げ出し銀時は必死に追いかける。
「げっ !! 後六秒しかねェ !! 」
ちらっと見た残り時間に銀時は絶望しか感じられないのだった。
「銀さん!窓窓 !! 」
新八が指さす方に窓があったのだが後六秒で辿りつける距離では無く、銀時は無理だと叫び返す。すると素早く銀時の背後に現れた神楽が唐傘をぐっとバットの様に構えて言った。
「銀ちゃん歯ァくしばるネ」
「!」
「ほあちゃアアアアアアア !!!! 」
「ぎゃァァァァァァ !!!! 」