第7章 問題5 テロリストはヅラ
「オメーは黙ってろ !! 」
そう怒鳴った所であり得ない殺気を感じちらっと後ろを見た銀時は、こちらに一直線で突っ走ってくる十四郎を見て優姫に叫び言った。
「ちょっとォォォ!俺まっしぐらじゃねーか、優姫ちゃん何あの恐い人 !! 」
「土方に―ちゃん」
にこっと答えると銀時を呼ぶ答えがしたのだった。
「オイ」
声に反応して振り返るのと同時に素早く飛んでくる刃に、銀時は慌ててしゃがみ躱した。
「逃げるこたァね―だろ。せっかくの喧嘩だ楽しもうや」
ずぼっと壁に突き刺さった刀を抜きながらそう言った十四郎に、体制を立て直した銀時は優姫の事をしっかりと抱きしめて言う。
「オイオイおめ―ホントに役人か?よく面接通ったな瞳孔が開いてんぞ」
死んだ魚の様な目をしている銀時に目の事を言われ、十四郎は怒った。
「人の事言えた義理かてめ―!死んだ魚の様な瞳ェしやがって !! 」
「いいんだよ、いざと言う時はキラめくから」
即答をした銀時に刀を構える十四郎に優姫はにぱっと声をかけてみた。「土方に―ちゃん」
この状況でへにゃっとしている優姫の姿に、十四郎は怒り爆発させた。
「おめぇはなんでこんな所にいる !? なんでテロリストになってやがるんだァァァァ !! 」
「えっと…………お散歩」
にぱっと答えた優姫に十四郎は目眩すら感じつつも怒鳴りちらした。
「だから外に出したくなかったんだァァァァァァ !!!! 」
「優姫危ねェですから逃げてくだせェ」
「う?」
総悟の声を聞き、咄嗟に反応して銀時の腕の中から飛び降りて離れると刹那、激しい爆音と共に銀時と十四郎のいた所が爆発して優姫は驚きの声を上げてしまった。
「うわァァァァァァァァ !? 」
すると爆煙の中からあり得ないほど髪の毛がもっさりと増えた銀時に優姫は抱き連れていかれた。
◆
「髪増えてない?」
逃げ込んだ先ですぐに新八に突っ込まれ、神楽に髪の毛をつつかれるのだった。
外では十四郎達の怒鳴り声が聞こえていて、桂はおもむろに懐からソフトボールくらいの大きさのモノを取り出していた。
「そりゃ何のマネだ?」
銀時が尋ねると桂は即答した。
「時限爆弾だ。ターミナル爆破の為に用意していたんだが仕方あるまい。コイツを奴等におみまいする……。そのスキに皆逃げろ」