第7章 問題5 テロリストはヅラ
「テメー俺の優姫に何しようとしてんだ。テメェには渡すか」
「黙れロリコン」
ビシビシっと別の意味で火花を散らしている銀時と桂を不思議そうに見ていると、気を取り直した桂が銀時に言い放った。
「とにかくお前の力がいる銀時。既に我らに荷担したお前に断る道は無いぞ。テロリストとして処断されたくなくば俺と来い。迷う事はなかろう、元々お前の居場所はここだったはずだ」
もはや脅しとしか言えない桂の言葉に、困惑した表情で銀時の事を呼ぶ新八と神楽を見ていた優姫だったのだが、ふと聞こえてきた音に閉まっている襖の方を見た。
「…………せェェェェェ」
「ん?」
「…………を返せェェェェェェ」
「何だ今の声は……」
明らかにこちらに近づいてくる声に気が付いた桂が言うのと同時に、襖が蹴り飛ばされる前に怒鳴り声が響いた。
「優姫を返せこの誘拐犯がァァァァァァァァァァァァ !!!! 」
「土方にーちゃん」
バン!と派手に襖が蹴り飛ばされ、ざっと部屋に真選組が入ってくるのだった。その真ん中に立つ十四郎が殺意メラメラの表情で怒鳴った。
「御用改めである!神妙にしろ誘拐犯がァァァァァァ !! 」
「副長!誘拐犯じゃなくてテロリストです!」
素早く言った隊士に対し、今にも襲い掛かりそうな十四郎が答えた。
「テロ行為よりも優姫誘拐した事の方が重罪だろうがァァァァァ !! 」
「しっ……真選組だァっ !! 」
「イカン逃げろォ !! 」
桂達の叫び声を打ち消す位の大声で十四郎は言い放った。
「一人残らず討ち取れェェ !! んで優姫を保護しろォォォォォ !! 」
ワッっと流れ込んできた隊士達に本能が逃げろと叫んだらしく、慌てて優姫を抱きかかえた銀時は襖を蹴り飛ばして逃げた。
バタバタと逃げつつ、新八は叫び尋ねた。
「なななななんなんですかあの人ら !? 」
すると落ちついた表情で桂が返事をしてきた。
「武装警察『真選組』。反乱分子を即時処分する対テロ用特殊部隊だ」
すっと銀時の隣まで走ってきた桂は当たり前の表情で言ってきた。
「厄介なのに捕まりまったな。どうしますボス?」
「だ―れがボスだ !! お前が一番厄介なんだよ !! 」
「ヅラボスなら私に任せるヨロシ」
すっと話に割り込んできた銀時はこれ以上ない怒りを感じ叫んだ。