第7章 問題5 テロリストはヅラ
「「「 え? 」」」
その声で優姫の事に気が付いた青年は素早く優姫の所に来て言った。
「お―お―いつぞやのお嬢ちゃんじゃねーか」
「こんにちは――」
にこにこっと挨拶をすると少年が優姫の事を見ながら青年に向かって言ってきた。
「銀さんこういう趣味だったんですか?」
「新八君失礼しちゃうな~~。銀さんそんな趣味無いから」
そう言いながらも優姫の肩をがしっと掴んで言うと手荷物を持ち、唐傘を差している少女がきっぱりと言う。
「銀ちゃん全然説得力ないネ」
「オイオイそんな事言うと銀さんいじけちゃうって」
そう言う青年を見上げ優姫は尋ねてみる。
「おに―ちゃん達何してるの――?」
すると青年は優姫の目線の高さに合わせてしゃがむと、名刺を渡しながら言うのだった。
「仕事だ、仕事」
「えっと……『万事屋銀ちゃん 坂田銀時』。万事屋?」
首を傾げて尋ねると銀時はびしっと自分を指さして言った。
「何でも屋って事だ。お嬢ちゃんも何か遭ったら来て良いからな。むしろ今すぐにいらっしゃい」
「何言ってるですか」
すぱっとツッコミを入れた新八を見、名刺と銀時を交互に見た優姫はパァっと顔を輝かせて言った。
「何でも屋 !? 格好いい~~~~」
純粋過ぎる視線を浴び、銀時は悶えて地面を転がるのだった。
「銀さん完全に変態ですよ……」
「銀ちゃん変態――」
悶える銀時を見て新八は優姫にはっきりと伝えておく。
「君この人とあんまり一緒にいたら危ないよ」
「新八の言うとおりアルね。銀ちゃんと一緒に居たら危ないアルよお嬢さん。まあ銀ちゃんが何かしようとしたらこの神楽が倒すアル」
新八に続く様に言った神楽に優姫は何事も無い様なにっこり笑顔でこう言ったのだ。
「私の周りにいる人ってみんなこんな感じだから大丈夫だよ~~」
「どんな所ですかソレ……」
新八が呆れ返っているとやっと立ち上がった銀時が何事も無かったかの様に言った。
「おめ―らさっさと用事済ませて帰るぞ」
「そうですね、荷物届けるだけですし」
すると迷子になっている事を思い出した優姫は銀時の着物の裾を掴んで言った。
「私も着いてって良い?」
「もちろん!」
がしっと優姫の手を掴むと銀時は言う。