第5章 問題3 コレステロールって気にしないの?
優姫はスカートを見てからぺらっとめくって元気よく言った。
「大丈夫!下にズボン履いてるから !! 」
「そう言う問題じゃねーだろうが!」
後ろにいた十四郎がぐぃ、っと素早く優姫のスカートを下に押しつけて言われたので首を傾げた。
「幼いって無知で罪ですねェ」
総悟が肩を竦めながら言い、優姫は益々不思議そうにするのだった。
「まあ、取りあえずだ。優姫ちゃんはここで保護してあげようじゃないか」
「何言ってんだァァァァァァァァ !! 」
「だって優姫ちゃん可愛いんだもん!」
「んな理由通用する訳ねぇだろうがァァァァァァ !! 」
目の前で戦闘空気が出てきてわたわたと慌てていると、総悟が一人納得した様に手を叩いて言った。
「そんなに気になるのならァ優姫は土方さんの部屋に住ませてもらえば問題解決じゃないですかィ?」
「ナイス総悟!」
「全然ナイスじゃね―よ !! 勝手に話進めるな !! 」
肩で息をしている十四郎を見て優姫はわたわたと慌てた。
「おお落ちついて――」
「俺ァいつも落ちついてるわ」
全然そうとは思えずに困っていると、やっと真面目になったらしい近藤が十四郎に改めて言う。
「行き先が無いって言ってるんだ。こんな女の子町に捨てに行く訳にもいかないだろう?トシが疑ってるのなら総悟の言うとおり側にいて二十四時間監視してればいいだろう?」
「けど…………」
近藤は十四郎の返事を聞かずに優姫の頭を撫でて言っていた。
「と言う事で今日から優姫ちゃんも真選組の一員だからな」
「本当―― !? 」
ぱぁ、と目を輝かせて言う優姫に親指をグッと立てて返事するのだった。
「おうよ」
「わ――い!」
嬉しそうに膝の上で笑っている優姫を見て十四郎は溜息をついた。
◆
「…………」
取りあえず十四郎の部屋に案内された優姫は部屋の中を見回して言った。
「何もないね」
「遊び場じゃねぇからな。必要最低限のモノだけあれば十分だ……って何漁ってるんだァ!」
ごそごそと押入を漁っている優姫を見て十四郎は叫んだ。
「だっておねーちゃんが『男の人の部屋には秘密がいっぱいあるから、行く機会が合ったら漁ってみなさい』って言ったから」
「どんな姉さんだよ……」