第5章 問題3 コレステロールって気にしないの?
ぎゅ―っと優姫を抱きしめて言うとその力にぱたぱたと暴れた優姫を見て、十四郎は溜息をついてから軽くその腕をぴっぱった。
すぽん、と近藤の腕の中から抜けた優姫はそのまま十四郎の膝の上に座る形になった。
「ぐぉらトシィ―!優姫ちゃんを一人締めするなんてずりぃぞォ―!」
「いい歳こいた大人の男が何馬鹿な事言ってるだ !! 」
ぐわっと拳を作って言う十四郎や近藤の事を見て優姫はむぅ、と考える。
(晋助はこの人達悪い人って言ってたけど…………本当に悪い人なのかな……)
とてもじゃないが悪い人とは思えず、優姫がむーと唸っていると煙草の煙を吐きながら十四郎は言った。
「お前此処に何の用で来た?」
「う?」
「あんな木に登ったりして此処に用が合ったんじゃないのか?」
じ―っと十四郎の事を見ていた優姫はぼろっと言った。
「ど―こ―開いてるよ」
「………………」
わなわなと肩を震わしているいる十四郎の事を不思議そうに眺めていると、総悟がへらへらと笑い言う。
「ほら優姫にも言われてるじゃないですかィ」
「表出ろ!総悟ォォォォォォォ !!」
「 !? 」
急に大声を出した十四郎の膝の上に居た優姫はびくっと反応した。
「ほらほら膝の上にいるお姫様ァ怯えてますぜェ」
「……てめっ」
優姫の事を出され、十四郎はわなわなと怒りを抑えているのだった。
「ま―ま―。で、優姫ちゃん本当に何しに此処に来たんだ?ここは幕府の特別警察真選組の屯所だ。一般人が用事も無く来る事なんかないぜ」
「んっとね――」
優姫は顎に指を当ててから晋助に言われた事を思い出す。
『ただし俺達攘夷志士と関わりある事を言ったら駄目だから分かってるだろうな』
真選組に攘夷志士と関わりある事を言ってはいけないと言われていて、少し考えてから言った。
「あのね、私ここにいたいの」
「「「 は? 」」」
「えっと……お家帰る方法分からないからここにいたいの」
嘘は付いていないので優姫はそう答えた。
「そ―言えばァ優姫見た事ない格好してますなァ」
「これ?これ学校の制服――」
ぴらぴらとスカートを掴んで言うと近藤が素早く言う。
「優姫ちゃ――ん!パンツ見えちゃうからそんな事したら駄目だよ――― !! 」
「パンツ?」