第5章 問題3 コレステロールって気にしないの?
優姫は思い出した様にカバンからチュッパチャップスを一本取り出すと笑顔で渡した。
「これ美味しいんだよ」
「おーおー、大事に食うぜ」
ぐしゃぐしゃっともう一度頭を撫でられ優姫は笑顔で手を振って青年と別れ屯所の方へと行くのだった。
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「土方さーん、何か面白い事でもないですかィ」
「ねえよ」
即答され、少年はつまらなさそうに言った。
「土方さんが爆発するか空から何か良いモンでも降って来たら楽しいすけどねェ」
「よーし、総悟。今すぐ斬ってやるから表出ろォォォォォォ !! 」
殺気だった声が真選組屯所に響き渡るのだった。
「おっき――い」
優姫はやっとの思いでたどり着いた真選組屯所を見上げて言った。
瓦屋根の昔作りの建物だったのだが屯所と言われるだけはあり、とても大きく塀も高い。
「ど―やって中に入れてもらおうかな……」
ん―っと当たりを見回すと丁度良い所に高い木を見つけ、優姫は笑顔で走るのだった。
「てめぇ今日こそたたき斬ってやらァ !! 」
「土方さん殺気立ちすぎ―。何仕事サボってるんすかィ?」
「いつも寝てばっかりいるてめぇにだけは言われたくねーよ !! 」
「瞳孔開いてェますぜィ」
「五月蠅ェェェェェェ !! 」
「?」
やっとの高さまで登った所、屯所内より大きな怒り声が聞こえ優姫は不思議そうに見た。
屯所の庭で二人の男性が追いかけっこをしている、刀を持ちながら。
「わ――恐い――」
率直な感想を述べてから優姫はもう少し上まで登ってみようかなぁ、と思い追いかけっこを見守りながら登り続けている。
「もう土方さん大人げないですぜィ」
そう言って総悟がバズーカーを出した瞬間大きな声が聞こえる。
「ちょ……お前ま…………」
最後まで意見を聞かず、総悟は一発でかいのをお見舞いするのだった。
「総悟ォォォォォォォ !! 」
砲撃を避けてすぐに怒鳴った所、上から小さな声が聞こえた。
「……わぁ」
「あぁ?」
不機嫌な顔で上を見上げると総悟の攻撃は後ろの方にあった木に直撃したらしく、メキメキと大きな音を立てながらまっすぐこちらに向かってきているのだ。
「でえぇぇぇぇぇぇ !! 」
急いで逃げようとした所、木と一緒に小さな人影を見て慌てて走る。
「グッバイ、土方さん。あの世でマヨネーズでも啜ってな」
