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【銀魂】江戸のトラブル娘【逆ハー夢小説】

第21章 問題19 攘夷祭り~後編~


「それじゃあ行ってくるね」
「優姫ちゃんはお祭り楽しんでね」
「時間が合ったら相手しますさァ」

 口々に言ってくる隊士の中で十四郎が頭を撫でながら言ったのだ。

「万事屋が調子に乗ったらぶん殴れ」
「……うん?」

 そう言い皆が出かけて行ったのを見送った優姫は嘘を付いてしまったな、と思った。
 祭りに一緒に行くのは銀時達じゃない、晋助なのだから……。


江戸のトラブル娘
第19話 攘夷祭り~後編~


「はい、これで良いわね」

 菊に浴衣を着付けてもらい、優姫は笑顔で言った。

「お菊さんありがとうー」
「これはお小遣いね」

 巾着と一緒に財布も渡され、優姫は上機嫌でいた。


 待ちに待った祭りは本日だ。三日ぶりに晋助に会う事が出来る。


「遅くなったら駄目だからね」

 念を押すように言われて優姫はしっかりと頷いた。

「まあシン君がいるから大丈夫だとは思うのだけれどね。番犬君だし」

 誉められたと思ったのかシンは嬉しそうに尾を振っている。その顔は得意げな顔をしている。

「それじゃあ行ってらっしゃい」
「行ってきま――す!」

 カランカランと下駄の音を鳴らしながら優姫は屯所を出て行った。晋助との待ち合わせはこの間の河川の橋の上だ。
 茜色に空が染まってきているからもう晋助は待っていると思う。祭で人通りの多い道を歩いて待ち合わせの場所に着くと晋助の姿は既に在った。
 河川の方を黙って見ているようだ。

「晋助!」

 名前を呼びながらぶんぶんと手を振るとぎこちなくだか、振り返してくれた。

「待った――?」

 えへへ、と笑いながら尋ねると晋助は首を横に振りつつ言う。

「来たばっかでそんなに待っちゃいねェよ」

 ぽんぽんと頭を叩かれ、優姫は笑顔で話しかけてみた。

「お小遣い貰ったの――!いっぱい食べる――!綿飴―― !! 」

 きゃーきゃーと喜ぶ優姫を見つつ、河川の下にいる源外に晋助は視線を落とした。
 其処にはカラクリを一人で弄る源外の姿がある。先程まで一緒にいた銀時達の姿は無くなっている。
 晋助は小さく笑ってから何事も無かった様に優姫へ視線を戻した。

「それじゃあ行くとするか、御姫さんよ」


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