【原作沿い夢小説】私とー日常編ー【復活/雲雀恭弥】
第3章 第1話 私と風紀委員長
目の前の人物を見て、相手が誰であるかを認識した私はこれ以上無い位の大声で相手の名前を発してしまった。
「雲雀恭弥ァァ !? 」
相手を理解し、慌てて雲雀の腕から逃げる様に着地をし、私は青白い顔で後ずさった。逃げようとしているその動きにいち早く気付いたのか、奴はじりじりとこちらに迫りながら言う。
「君確か………1-Cの山本音羽だよね。風紀を乱す」
話しつつ、どさくさに紛れてトンファーを構える雲雀に対し、私は悪寒に震えながら必死になって指差しながらに言ってやった。
「不良が偉そうに風紀を語るなっ !! そしてこれ以上私に近寄るなっ!」
「……咬み殺してあげる」
「 !! 」
雲雀恭弥の一言に、これ以上無い悪寒に鳥肌が立ち、私は叫ぶのと同時に教室へ向かって一目散に逃げた。
「寄るな変態―― !! 」
身の安全を確保する為に慌てて逃げて行く私は、不機嫌そうな表情でじっと見ている奴に気付かないのだった。
◆
「ふへぇぇぇぇぇ」
教室に着くなり、私はべたっと机にへばりついた。
当たり前だけれど、ホームルームはとっくに終わっていて、一時間目の授業が始まる前に滑り込んだ形の遅刻。
ぐったりと机に臥せりつつ、今先程起こった事を改めて思い出していた。
朝から嫌なモノを見てしまった……。寝坊をしてたけちゃんには置いて行かれるし、あの……あの……あの気持ち悪い……。
「音羽やっほ。遅刻するなんて珍しい事もあるんだね」
「そうそう。いつもあのひば……」
「スト――ップ !! それ以上言わないで !! 」
私の所へやってきながら悪気無く言ってきた親友の口を両手でふさぎ込んで、発言を何とかシャットダウンする事に成功した。けれどすぐに私の手をはね除けると、呆れた声色で言われてしまった。
「音羽の風紀委員長嫌い、相変わらずだねぇ……」
「ホントホント。つ―か名前すら駄目なのか」
私の事を呆れつつ話している二人は、私のクラスメイト兼親友。私に口を塞がれた方が大村綾、もう一人は市原有美だ。
小学校以来の付き合いであるこの二人は、私の風紀委員長嫌いに呆れているらしい。
並盛中学校風紀委員と言うのはこの地域では特殊な存在であり、関わらない様にするのが身の安全を確保する為の暗黙の事。