【原作沿い夢小説】私とー日常編ー【復活/雲雀恭弥】
第10章 第8話 私と入ファミリー試験
「あ、そうだ」
どっちが右でも左でも良いし、私は興味が無いので二人の会話には口を出さずにスルーした。それよりも大事な事を忘れる所だったと、私は思いだした様に綱ちゃんの所に行って尋ねてみた。
「あのさ――」
「ん?」
二人の言い合いに呆れ果てつつ困っている綱ちゃんに、私はたけちゃんには聞こえない様に、でもはっきりと言っておいた。
「マフィアごっこじゃなかったんだね」
言った途端、綱ちゃんは青褪めた顔色になり慌てふためきながら言ってきた。
「いやあのそのね !! 」
「だってさ、ナイフも銃も爆弾もどう考えても全部本物でしょ?」
運動場の惨状を指さしながらに言い切ると、綱ちゃんはバツの悪そうな表情で途切れ途切れに言った。
「あ………うん……そうだけどさ……」
綱ちゃんはちらっとたけちゃんの事を見たので、溜息をついて言ってやった。
たけちゃんは未だに気が付いていないのに私がずかずか言ってくるからなんだろうな。
「は~~、私はたけちゃんみたいに鈍感馬鹿じゃないから、偽物かオモチャくらい状況見れば分かるに決まってるでしょ?」
返答に困った表情でいる綱ちゃんに向かって、これは反応が面白いな、とにやっと笑って言ってみた。
「とにかく綱ちゃんがマフィアの十代目って本当なんだね。ファミリーに入れてもらったって事は綱ちゃんはボスか」
私の言葉と表情を見て、慌てて綱ちゃんは言う。
「俺マフィアのボスになるつもりなんて絶対にないからっ !! みんなとは普通に友達でいたいだけだからっ !! 」
必死に弁解する綱ちゃんの姿が見ていて割と面白い。どうやら言われた事なんでも真に受けるタイプなんだなぁ……。
「将来の職業は『マフィア』か。楽しみにしてるねボス」
「だーかーらーー !! 」
顔を真っ赤にする綱ちゃんの事を笑って見ていたら、たけちゃんに呼ばれた。
「音羽部活行くぞ――」
「うん」
カバンを拾ったたけちゃんは笑顔でこう言うのだった。
「しっかしさっきの爆発といい最近のオモチャってリアルな~~」
「たけちゃん馬鹿でしょ」
さらっと言ってやると、たけちゃんは何でだと言わんばかりの表情をしているのだった。
(2022,4,22加筆修正 飛原櫻)