• テキストサイズ

【原作沿い夢小説】私とー日常編ー【復活/雲雀恭弥】

第3章 第1話 私と風紀委員長


「ち―こ―く―す―るーぅ―― !! 」

 この日『遅刻』と言う存在を死ぬ程、絞め殺したいと私は思う事案を起こしてしまうのだった。
 この日から、私の生きている世界と環境が変わっていく事を誰が予想しただろうか。少しずつ大きく、一人の人間をきっかけに私の世界は変わっていく。
 この世で、一番、嫌いだ、と自負出来る相手と出会い、特別な存在になるなんて、誰が予測出来ただろう。
 そんなの、私が一番否定したいに決まっている。


私と
第1話   私と風紀委員長


「うわ――ん !! もう絶対に間に合わない遅刻するっ―― !! 」

 時刻は八時半。通学路を近道を使いながら必死に走る。どれだけ走ろうが、学校のチャイムが時刻を告げる音を告げ、その音を聞いてから十分以上過ぎていた。
 とある理由から私、山本音羽は遅刻する事だけは絶対にしたくなかったのだ。その理由はただ一つだけ。


 並盛中学校風紀委員長、だ。


「よしっこうなったら……」

 どうせもう遅刻であるのだから、正門への道を止め、裏門へ回った。正門から堂々と遅刻登校なんかしたら目立つし、風紀委員に見つかってしまう。
 私は辺りを確認しつつ、素早く塀をまたぎ超えながら叫んだ。

「セーフ!………じゃないんだけどね」

 普通にホームルームが始まっている時間だ。いや、もう終わっている。完全なる遅刻。でもまあホームルームなんて暇な時間だし、一時間目の授業に間に合えば良いかなぁ、って言う軽い気持ちで私はいた。
 それが間違っていた………。


 そう、学校の塀を登り飛び越えたのは良いのだけれど、下を……校内の方は全く見てなかった。


「……何してるの?」
「えぁっ !? 」

 突然聞こえた声に驚いてしまい、空中でバランスを崩して思いっきり着地に失敗した。失敗したのだけれど身体へ大した痛みは無く、はっきり言えば誰かに受け止められたらしく、痛みの代わりに人肌の暖かさを感じた。
 ……が、それと同時に全身に悪寒が走り、私は慌てて顔を上げた。


 そして……相手の顔を見て全身が固まる。
 私の事を受け止めた相手は淡々とした声色で私に告げてくる。その表情にも声色にもこれと言って感情はなかった。


「……遅刻の上、正門から入らないなんて良い度胸してるね。咬み殺すよ」
「ひっ……」
/ 33ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp