【原作沿い夢小説】私とー日常編ー【復活/雲雀恭弥】
第5章 第3話 私と風紀委員の仕事
雲一つない晴天。時刻はまだ七時にもなっていない登校には早過ぎる時間帯。
この時間帯に登校すれば生徒はいなく、静寂に包まれた校内を歩くのは気分が良い。
……筈だったのに。
「ワオ、奇遇だね」
早朝登校早々、私は顔を引きつらせながらに声を掛けてきたそいつを見た。
私と
第3話 私と風紀委員の仕事
待ちかまえてたと言わんばかりに、両腕を組みながら校門前に立ちつくす雲雀恭弥。絶対に捕まってはならないと、少しずつ、と安全な間合いを確保しながら私は言う。
「風紀委員は朝早くからお仕事大変ですね――。…………早く死ね」
「僕の所有物が明らかに僕を避ける登校をするから、ちょっと早めに活動始めただけ」
逃げようとする私を追い詰める様に、じりじりと確実に迫ってくる雲雀の事を避けながら言ってやる。
「それはそれは大変ですね――。近寄るなド変態が」
「せっかく僕が渡した腕章勝手に捨てたんだね。数に限りがあるんだし、大事にしないと咬み殺すよ?」
『咬み殺すよ』
この言葉を聞いただけで、全身に鳥肌が立つ。雲雀の口から放たれていると言うのがどうも駄目なのだ。
別に雲雀なんかに負ける気は毛頭ないのだけれど。本能が拒絶しているのだから、私にもどうする事も出来ない。
「お仕事頑張って下さいっ!私ウサギ小屋の飼育当番あるんで !! 」
何時から並盛中にウサギ小屋が出来たのだろう。訳の分からない言い訳を言うのと同時に、走り逃げようと試みた。
が、いつの間に居たのかと言わずにいられなく、既に右腕をがっしりと捕まれていた。
「ギャァァァ !! 離せ変態!寄るな変態 !! お巡りさ――ん !! 」
ぶんぶんと腕を振るのだが、相手は不良の頂点に立つ雲雀恭弥で男。鍛えてあるとはいえ、女の私が力に勝てる筈もなく。
「よし」
雲雀はさも当然の事の様に、満足げな表情で再び腕章を人の腕に付けていた。
「誰が風紀委員になんかなるか―― !! 」
私はすぐにべりっと腕章を剥がして地面に叩き捨てるのだが、雲雀は何事も無かったの様に、再び人の腕に着け直してくる。執拗い位に。
「人の話を…… !! 」
叫びかけてぴたっと止まる。腕に手を出さないと思っていたら、雲雀は無表情で人の首に首輪を付けてきたのだった。
「……は?」