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訳アリ主と恋スル執事たち【あくねこ短編集】
第17章 砂糖菓子の鳥籠 Ⅰ【君という名の鳥籠 予告中編 ♟】
「エーファン」
「はい、旦那様」
「先ほどのボスウェル殿の質問に、おまえが答えてさしあげるといい」
「はい、旦那様」
「私はレディではないから、本当の歳を知られたところでかまいはしない」
「かしこまりました。
それではボスウェル殿、主人に代わって僭越ながら私が申し上げます。
わが主、ルーヴ・カレッセン公爵様のご年齢は」
主人の杯にワインを注ぎながら、エーファンは淡々と言った。
「今年で五十歳になられます」
一同は揃って絶句した。
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