第15章 Rapunzel【🦋 ⇋ 主 ✉*(激裏)】
「……ひぁっ」
強く吸いつかれ、首筋に紅い花弁が散る。
「フェネッ………んんっ!」
拒絶は彼の唇に呑み込まれた。
「ん、………ふっ、」
いつだって控えめで優しい彼のイメージを裏切るような貪欲さで、
ヴァリスの舌を追いかけ回した。
「ひぅ………ぃや、」
口内で暴れる舌に、こころが切なく軋む。
時折ひらかれる眦は、わずかに滲んでいた。
「あぅ……待って、………待ってッ」
そのさまに傷ついたような眼を向けた彼は、思考を一色に染め上げるように囁きかけてくる。
「駄目。いくらあなたの願いでも、それだけは聞けません」
すん、と素肌の匂いを吸い込まれ、羞恥にますます瞳を滲ませた。
「駄目っ……匂い、かがなっ………あんっ」
散々花弁を散らしていた唇が、胸元へと移っていく。
首筋のラインを伝い、細い鎖骨の線を舐め上げて、豊かなふくらみへと辿り着く。
ナイトドレスを纏ったまま、谷間に顔を埋められて。
そしてなんの躊躇いもなく胸の蕾に吸いつかれ、隆起しかけていたそこはみるみる芯が宿った。
「ひぅっ……! やぁっ………舐めないでぇ」
細く尖らせた舌先を巻き付けるように舐り、捏ね回されて、甘く滲んだ艶音が零れる。
「ん、ぁ、………駄目ぇ、」
その唇から上がる声は、自分自身の耳にも過剰なまでの蜜を纏っているように聴こえた。
「駄目? こんなに心地良さそうなのに、なぜですか」
顔を上げたフェネスが微笑む。
脱がさぬまま舐られていたせいで、
薄いオーガンジーのシースルー素材は胸の蕾にぴったりと貼り付いていて、
あまりの恥ずかしさにますます瞳が霞んだ。