• テキストサイズ

訳アリ主と恋スル執事たち【あくねこ短編集】

第15章 Rapunzel【🦋‪ ⇋ 主 ✉*(激裏)】


「……ひぁっ」
強く吸いつかれ、首筋に紅い花弁が散る。



「フェネッ………んんっ!」
拒絶は彼の唇に呑み込まれた。



「ん、………ふっ、」

いつだって控えめで優しい彼のイメージを裏切るような貪欲さで、

ヴァリスの舌を追いかけ回した。



「ひぅ………ぃや、」

口内で暴れる舌に、こころが切なく軋む。

時折ひらかれる眦は、わずかに滲んでいた。



「あぅ……待って、………待ってッ」

そのさまに傷ついたような眼を向けた彼は、思考を一色に染め上げるように囁きかけてくる。



「駄目。いくらあなたの願いでも、それだけは聞けません」

すん、と素肌の匂いを吸い込まれ、羞恥にますます瞳を滲ませた。



「駄目っ……匂い、かがなっ………あんっ」

散々花弁を散らしていた唇が、胸元へと移っていく。

首筋のラインを伝い、細い鎖骨の線を舐め上げて、豊かなふくらみへと辿り着く。



ナイトドレスを纏ったまま、谷間に顔を埋められて。

そしてなんの躊躇いもなく胸の蕾に吸いつかれ、隆起しかけていたそこはみるみる芯が宿った。



「ひぅっ……! やぁっ………舐めないでぇ」

細く尖らせた舌先を巻き付けるように舐り、捏ね回されて、甘く滲んだ艶音が零れる。



「ん、ぁ、………駄目ぇ、」

その唇から上がる声は、自分自身の耳にも過剰なまでの蜜を纏っているように聴こえた。



「駄目? こんなに心地良さそうなのに、なぜですか」

顔を上げたフェネスが微笑む。



脱がさぬまま舐られていたせいで、

薄いオーガンジーのシースルー素材は胸の蕾にぴったりと貼り付いていて、

あまりの恥ずかしさにますます瞳が霞んだ。
/ 168ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp