第13章 漆月☩しづき☩の惑い【🗝 ⇆ 主 ＊】

｢ナック……。｣

擦りつけると名前を呼ぶ。

その瞳は不安と恐れを映していて、あやすように頬を撫でた。



｢怖いか……？｣

頷く彼女を抱きしめる。温かな肌と肌が重なり、その温もりに身体の力が解けた。



｢優しくするから、………力、抜いてろ｣



｢う、ん………。ひ、……あぁぁぁ………っ｣

ゆっくりと、とてもゆっくりと、圧倒的な質量が押し入ってくる。

あまりの痛みに、反射的に身体が強張った。



｢狭っ………。

なぁ……お嬢、目を閉じないで……俺を見てくれないか｣

その言葉に、ゆっくりとその瞼がひらかれる。



涙に潤んだ、快楽に霞んだ瞳。

ぞくりと戦慄が駆け抜け、胸を満たす愛しさのままに唇を重ねる。



｢ん……ふ、………ぁ｣

ぴちゃりと厭らしい音を立てて、彼女と舌を絡めた。

舌に感じる心地良さに、身体の力が抜け落ちる。



その時を見計らって、さらに奥まで埋め込んだ。



｢い……た………。｣

見下ろすと、唇をかみ、痛みに耐える姿が目に飛び込んでくる。



はっとして引き抜こうとすると、か細い腕が背にかけられた。



｢大丈夫だから……お願い、このまま………。｣

霞んだ瞳で微笑む彼女。たまらなくなって、その胸に包み込んだ。



｢痛みが引くまでは動かないから、

せめて……あんたの温もりを感じていたい｣

けれどその瞳は獰猛に光っていて、彼が必死に自分を抑え込んでいるのを悟った。