第9章 この先の未来に
「、、緋色、こんな時になんだが、、」
杏寿郎が緋色の目を覗き込む。緋色はまだ目に涙を溜めていた。
「結婚しよう。」
緋色は驚いてしまう。しかし、杏寿郎が今回の事を気にして結婚を申し込んだんだと思った。緋色は慌てて首を横に振る。杏寿郎はむっ、とした顔になった。
「緋色、君は俺が責任感で結婚しようと言ってると思っているな。」
緋色は素直に頷いた。杏寿郎は大きく溜息をついた。
「さすがにそれは俺でも傷つくぞ。君が好きだからに決まっているだろう。傷ついた君を、一番近くで支えたいんだ。」
杏寿郎はポケットから、小さな箱を出した。
「受け取って欲しい。」
杏寿郎が箱を開けると、大粒のダイヤモンドの指輪が入っていた。
「海外では、結婚指輪とは別に、婚約指輪を贈ると聞いた。俺の気持ちだと思ってくれ。結婚指輪は、二人で見に行こう。」