第6章 甘露寺蜜璃現る
「甘露寺に会ってみてどうだった?」
朝方、就寝前に杏寿郎に部屋に呼ばれた。
「、、、可愛らしい方でした。」
いつも以上に感情のこもらない声に、杏寿郎は違和感を覚える。
緋色の頬を一撫でした杏寿郎の手は緋色の顎にかかる。口付けをしようと顔を寄せるが、緋色は、ふっと顔を逸らしてしまう。
「緋色?」
恋仲になってから、口付けを拒否されたことはなかった。杏寿郎は緋色の目を覗き込む。そこに緋色の心があるからだ。しかし、緋色はさらに目線を逸らせる。
「緋色、こっちを向いてくれ。」
杏寿郎に請われ、緋色はやっと杏寿郎に目線を合わせた。
瞳が合って、やっと杏寿郎は緋色が何を思っているかわかった。
(あぁ、これは、、、)
「、、、ヤキモチだな?」
緋色が目線を下に逸らせる。恥ずかしい時の緋色の癖だ。
「俺の可愛い彼女は、甘露寺にヤキモチをやいたようだ。その理由を教えてくれないか?」
「、、、可愛らしい方でした。」
緋色はポツポツと話し始める。
「とても可愛らしい方でした。私とは違ってとても明るくて、、、」
「緋色、目を見て、、、あぁ、やっぱり。まだ足りないな。君は全てを話していない。全て話してみなさい。」
緋色は勝てなかった。目を見られれば全て彼はわかってしまうのだ。
「、、、仲が良さそうで、、、私の知らない杏寿郎様を知っていらっしゃるし、、、それに女性らしい身体つきをしていらしたので、、、男性はあのような女性が好きだろうと、、、」