第6章 甘露寺蜜璃現る
「きゃ〜〜〜、師範。とっても美人だわ。どうしましょう。ドキドキするわ。初めてまして。甘露寺蜜璃って言います。仲良くしてね。」
次の日、蜜璃は煉獄邸に来るなり、緋色の手を持って上下にぶんぶん振った。蜜璃の勢いに押されて、緋色は声も出せない。
「甘露寺、緋色が驚いている。手を離してやってくれないか。彼女は、ちょっと人見知りなところがあるんだ。」
杏寿郎が苦笑しながら、蜜璃の肩に手を置いた。
「まぁ、私ってば。ごめんなさい。」
蜜璃は緋色の手を離した。
「、、、ご挨拶が遅れました。寺島緋色と申します。以後、お見知りおきを。」
「素敵。歳もほとんど変わらないのにとっても落ち着いてるわ。とっても素敵。師範、素敵な子ですね。」
「まぁまぁ。中に茶の用意が出来てる。とりあえず上がりなさい。」
「ありがとうございます、師範。」
二人が家のなかに入る背中を、緋色はしばらく見つめていた。