第4章 誰のもの
(杏寿郎さんとの仲を取り持ってくれた事には感謝してるから、私も少しはアシストした方が良いんだろうけど…、でも職場に乗り込む訳にはいかないし…。)
そう思うのと同時に、りんは『この人達と一緒に学校で働けたらな。』と思ってしまった。
特にこの四人は自身の本当の姿を知ってくれている貴重な存在だ。
(本当の姿…。)
りんはまた部長の事を思い出しそうになると、忘れるようにグイッと柚子酒を飲み込んだのだった。
———
杏「では明日もあるのでもうお開きにしよう!!」
杏寿郎は店に入ってきっかり一時間経ったところでそう声を掛けた。
(少し名残り惜しいけど…月曜だもんね…。)
りんはそう思うと立ち上がり、杏寿郎の後を追って座敷から下りた。
他の面々もそれに続く。
そしてレジの前に集まると皆が片手を出した。