第10章 使命感
(…私、こうやって杏寿郎さんに助けてもらわないと生きていけなくなっちゃってるんじゃないかな…。依存、してるかも…。)
四月の頭に出会い、今はまだ五月に入る手前だ。
それなのにそんな事を思ってしまった。
「私も…私も杏寿郎さんの役に立ちたいです…。」
りんをベッドに下ろそうとしていた杏寿郎は、その唐突な言葉に目を丸くした。
杏「十二分に役に立っているぞ。」
「………………………………。」
その言葉に納得できなかったりんはじとっとした視線を送る。
すると杏寿郎はりんを座らせながら心外そうに眉を寄せた。
杏「嘘などついていない。」
「……でも、」
杏「もう君のご飯なしに生きていける気がしない。」
そんなプロポーズまがいな事を言われると、りんは思わず笑ってしまった。