第3章 相手を知るということ
杏(今のはとりあえずの返事なのだろうか。昨日調べて得た情報によると恋人を家へ招くとは…そういう事のはずなのだが…。)
りんは経験はなくとも知識はあるはずだ。
杏(もしや、もう心の準備ができているのだろうか…。)
杏寿郎はそう思い至ると『俺も予習をしなくてはな。』と小さく呟いた。
(予習…?)
「下見に行かなくて平気ですよ…?ハズレのお店だったとしてもそれはそれで楽しい思い出になります。」
りんは真剣な顔付きの杏寿郎を心配そうに見つめた。
すると杏寿郎の表情はパッと笑顔に切り替わる。
杏「そうか!確かに君とならどんな場所でも楽しめそうだ!!」
そうして二人は嬉しそうに微笑みあったが、勘違いは少しも解消されなかったのだった。