第3章 相手を知るということ
杏「これで分かったろう!この子は俺を騙せない!」
その言葉に男三人は深く息をついた。
天「お前らカップルらしくなってんのな。」
「うるさい。」
小「騙してはいないようだな。」
実「悪かったなァ。」
実弥がそう謝りながらりんの頭を撫でようとすると、杏寿郎は反射的にその手を阻止するように掴んでしまった。
杏「……あ、いや…すまない。」
そう歯切れ悪く謝って手を解放すると、実弥は優しく微笑んだ。
実「俺が悪かった。他の男に触らせねぇのは悪い事じゃねェからなァ。」
その言葉を聞いたりんは部長の事を思い出した。
(…杏寿郎さんには言えないな……。)
実「それにしてもよォ、その見た目でどうやったらそんな性格になるんだァ?顔を見た時は正直『煉獄やっちまったな。』って思ったぜェ。」
「なっ」
りんがまだ赤い顔を上げようとすると、杏寿郎が隠すようにそれをぎゅっと自身の胸に埋めさせた。