第3章 相手を知るということ
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生「先生、さようなら!」
杏「うむ!寄り道せず帰るんだぞ!!」
一方、部活動を終えた杏寿郎はそわそわとしていた。
これからの時間はりんに出くわす可能性があるからだ。
杏(今日は随分とりんさんの事を考えないよう努めた!生徒が帰った今、もう我慢せずとも良いだろう!!)
杏「宇髄!!!」
職員室の戸をガラッと開けた杏寿郎は晴れやかな笑みを浮かべながら同僚の名を呼んだ。
そこには顧問として指導していたのか怪しい天元が、机に足を乗せてチューインガムを膨らませていた。
天「お前ボリューム狂ってんぞ。」
杏「すまない!!家の前でりんさんと偶然出会うにはどうしたら良いだろうか!!!」
それを聞いた天元は後ろに倒れそうになった。
天「いや、ダメだろ!!」
出鼻をくじかれた杏寿郎は眉尻を下げてしまう。