第3章 相手を知るということ
(今日は出張の準備に加えて午前から部長主催の会議がある。急がないと。)
りんはそう思うと朝食もまともに取らずに家を出た。
———
その頃、杏寿郎は早くも学校の剣道場で素振りをしていた。
そこへ集まってきた部員が挨拶をする。
杏「うむ!!おはよう!!!」
いつもよりも更に大きな音圧に生徒は思わず耳を塞いだ。
杏(思考を断ち切れ。集中力が足りていないぞ。)
そう一心不乱に竹刀を振るっていると、まだ開始まで時間があった為に生徒達が見学し始める。
生「流石は小中高大の全国一位…。」
生「全然偉そうにしないから忘れそうになるけど、ここの部員のほとんどは煉獄先生目当てで入学してるもんな…。」
生「それにしても…、」
生徒達は杏寿郎が巻き起こす異常な風にぞっとした。