第2章 初めての彼氏は…、
杏「そうだったんだな。俺は今さっきまで、冷蔵庫に備蓄していたさつまいもの菓子を食べていた。君が通話中だったのでモヤモヤとしていたら食べ切ってしまった。俺は心が狭いようだ。」
『……え…………、』
杏「こんな恋人は嫌だろうか。」
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そんな正直な感情を吐露されたりんは固まった。
(そんなの…まるで想い合っている恋人みたい…。)
「い、嫌じゃないです。それに私も……、一回目で杏寿郎さんが出てくれなかった時…、嫌われちゃってたらどうしようってすぐ思っちゃいました…。めんどくさいタイプかもしれません…大丈夫でしょうか…。」
杏『……………………。』
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一方、りんの気持ちを知った杏寿郎も驚いて目を丸くしていた。
杏(まるで恋心を抱いてくれているかのような反応だな。)
杏「面倒だとは思わない。不安にさせた俺に原因があるだろう。スマホが気になって仕方なかったので、わざとサイレントマナーにしていたんだ。すまなかった。」
そう伝えるとりんは安堵したような声音で『そうでしたか。』と呟いた。
杏寿郎は互いの誤解が解けた事を知ると、ほっとすると共に絆が強くなったような気持ちになった。