第2章 初めての彼氏は…、
杏「…うむ!うまい!うまい!!」
そう声に出しながら気を逸し続けていると、備蓄していた貴重なさつまいもスイーツコレクションを食べ切ってしまった。
杏「…明日買い込まなければならないな。」
そう言うとスプーンを片付け、歯を磨きに洗面台へ向かう。
杏「……………………。」
ここまでして尚、気になって仕方ない事を認めると、口をゆすぐと共に向き合おうと切り替えて寝室へ向かった。
杏「!!」
杏寿郎は画面が光っている事に気が付くと電気を点けて駆け寄る。
そして、待ち望んだ表示名に笑みを浮かべた。
杏「もしもし!!」
—
思い切って二回目の電話を掛けたりんは、杏寿郎の明るい声を聞いて涙が滲むほどにほっとした。
それと同時に胸が高鳴る。
「あっ、えっと、さっき天兄に根掘り葉掘り聞かれてて…、その時杏寿郎さんがさつまいもがお好きって知って、その…プロフ画像見ようとして画面開いたら着信の通知が来てて…、」
りんはしどろもどろしながらも正直に全て説明した。
すると杏寿郎は体の力を抜いてベッドに腰を下ろした。