• テキストサイズ

【煉獄さん】嘘つきは百万の得【現代】

第2章 初めての彼氏は…、




「私もです!えー!一目見たら絶対覚えてるだろうから、すれ違った事一度もなかったんだろうなあ。」


杏寿郎はりんの明るい無邪気な笑顔を愛でるように目を細めた。


杏「…ああ!驚いたな!!」


杏寿郎がそう明るく返すと、上った先のホームに電車が到着する。

日曜の少し遅めの時間、帰宅ラッシュで電車は混んでいる。


杏「おいで。」


杏寿郎は乗り込む前にりんの手をさらりと握り、電車に乗り込むとりんを人混みから守るように立った。


「……ありがとうございます。」


りんの頬が再び染まっているのを見た杏寿郎は、嬉しいはずなのに、胸がぎゅっと苦しくなるような感覚を覚えた。

少し汗ばみそうになった手でりんの小さい手を握り直す。


さらりと握れた手だったが、最初に握った手と今握っている手は違う手のようにさえ思えた。



/ 312ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp