第10章 使命感
「……………………。」
りんは無言の藤川に喉をこくりと鳴らしたが、相手の出方を見る事に決め、ただ事務的に接しようと決めた。
——が、
藤「昨夜は久し振りによく眠れたようだね。」
りんの顔色を見ていた藤川は開口一番そんな事を言った。
それを聞いたりんはカッと頬を熱くさせる。
藤「…………あ、」
赤い頬を見た藤川はハッとしてから口をパシッと手で覆った。
藤「違うんだ、誤解しないでくれ。」
そうは言われても歩み寄られたりんは少し後ずさった。
それを見た藤川は眉尻を下げながら拳を握る。