第10章 使命感
(……幸せだな…。)
そんな事を考えながら電車に乗り込んでから昨日の『お出迎え事件』を思い出した。
(杏寿郎さんのこと、皆何て言うかな…。)
りんはそう心の中で呟きながら少し口角を上げた。
———
「おはようございます。」
りんが会社に着くと、先に来ていた後輩が早速りんの元へ飛んできた。
女「彼氏さんお迎えに来たってほんとですか!?見たかったですー…。」
「うん…。正しくない噂が立たないようにわざと来てくれたみたい。」
女「ひゃああ…!性格もイケメン…!!」
後輩は手で口元を押さえて頬を染めた。
そんな様子にりんは微笑み、部署のデスクに荷物を置いて今日使う資料を揃え始めた。